東北学院大学

教養学部 地域構想学科

学科長あいさつ

地域構想学科長 高野 岳彦

ようこそ地域構想学科へ。地域構想学科が考究の主題とする「地域」には二つの面があります。1つは「対象」としての地域、もう1つは「見方」としての地域です。「対象」としての地域は、自然事象や人間の活動が展開する「現場」です。実際の現場に入り、どのような問題が具体的にどのように生じているのか、またそれにどんな人々がどのようにかかわっているのかを知ることを、地域構想学科では重視しています。

しかし、ある程度の予備知識や問題意識なしに現場に入っても、何も感じないし気づかないということになってしまいます。つまり地域に対する「見方」を一定程度身に着けておくことが大事です。「地域」の事象や問題に気付いたら、まずその「現場」に行ってみて基礎的な事実を集め、そして類似の事象がみられる他地域の情報も集めて整理し、より広い時空間の視野から眺めてみる。これが「地域的見方」ということです。

また「地域」には、身近な町内や集落から、国家を超える大陸や地球規模まで、多様な「スケール」があります。さらに「地域」の事象には自然から人間、社会まで広範な分野が包含されています。この地域の分野横断的な性格こそが、地域構想学科が教養学部に置かれている理由です。

地域構想学科ではこの広範な分野を「人と自然」、「社会と産業」、「健康と福祉」の3領域に分けて地域に関連する授業や実習の科目を用意し、諸君の学びをサポートする体制を整えています。1・2年生では各領域の学びを広く体験して関心分野を少しずつ具体化し、3・4年生ではその分野をより深く学び、自分自身の課題を明確にして大学生活の最後を飾る「総合研究」を成就できるようにカリキュラムが編成されています。

一方、地域構想の「構想」とはどういうことでしょうか。これは、地域に関する探究の先に「地域をよりよくする」という目標が設定されているのです。もちろんこの目標が4年間の学びだけで達成されるとは限りませんし、むしろ卒業後の人生の目標になるかもしれません。それは、「地域」には短期間に変わる側面がある一方で、長い歴史的な営みを通してゆっくり変わっていく側面もあるからです。4年間でかかわれるのは地域の営みのほんの1コマでしかないでしょうし、「よりよい地域」を具体的につくっていく主体はその地域の人々です。そうした意味で、我々地域構想学科の教員や学生に与えられた課題は、地域をよく理解した上で、よりよい地域への「構想」を示すことだと私は考えています。

いずれにしても、「地域」の諸事象に関心を寄せる若い諸君とともに新たな学びへのスタートが切れることを、大いなる楽しみと考えています。