内藤 裕貴 准教授
研究テーマ
私の専門は会社法です。会社の経営者としてイメージされるのは取締役ですが、その取締役は、会社の利益を最大化するために常に経営判断に迫られています。そして、その経営判断は、成功すれば会社に莫大な利益がもたらされますが、失敗すれば会社に損害が生じるとします。 このとき、経営判断を見誤ったことを理由に、取締役は会社に対して損害賠償しなければならないように思えます。しかし、取締役は会社のために経営判断をしたにもかかわらず、経営判断が失敗したときは常に会社に対して損害賠償をしなければならないとすると、誰も取締役になろうという気にはなりません。また、経営判断が成功するか失敗するかは実際に経営判断をしてみるまで分からないものです。そうだとすれば、取締役の損害賠償責任の有無の認定に際しては、特別な配慮が必要になるといえるのではないでしょうか。このような取締役の経営判断局面の責任を主たる研究対象としておりますが、最近は取締役の責任追及手段である株主代表訴訟についても、関心を持っています。