2012年12月15日開催
宮城県父子の会
代表 村上 吉宣 氏
2003年に「シングルパパ」となる。父子家庭支援の現状と格差是正を訴える活動を展開中。
共生社会経済学科で学ぶ、みなさんへ
父子家庭の抱える現状と課題を通して、ひとり親支援制度の抱えるシンプルな問題点を感じて頂けたことと思います。
そして仕事・家事・育児などなど、性差で得意不得意が決まるのではなく「経験を積む機会の問題」であるということも納得して頂けたんじゃないかな。
僕は皆さんに「父子家庭って大変。支援しなきゃね」とは思ってもらいたくありません。そんなことよりも父子家庭というフィルターを通して、男女共生社会のヒントを感じて頂きたかったというのが根っこにありました。
講演の最後にもお話しした通り、共生社会の最小単位は隣にいる彼女(彼氏)であり家族です。そして、共生のキーワードは「違いの理解」にあると思います。
「当事者組織が法律を変えた」ことも「支援くれくれ活動」ではなく「社会提案活動」という位置付であり、「伝える工夫」と「言葉につくす」ことがキーポイントでした。
政治であれ家族であれ、そして隣で笑ってくれる彼女(彼氏)との関係であれ同じなんですね。
どうか、カッコいい男性(女性)になってください。
周りの大人たちは皆を枠にはめたがりますが、自分達の生きる社会は自分達が決めていくんです。でも、喧嘩してたら共生なんて儚い夢です。言葉に尽くし、違いを理解する所から出発してください。そして一人一人が今立っているオリジナルな今から「だからこそ出来ること」を見つけて暴れてくださいね。
PS:33歳の親父な僕もまだまだ暴れる予定ですから(笑)
学生の感想
- この講演を聞いて、本当の「男女平等」を考えることが、これからの私の課題となった。(Uさん)
- ゼミで、社会において、男性が優位に立っていて、男女は平等ではないことを学びました。確かにまだまだ女性の意見は通りにくい社会ではありますが、困っているのは女性だけではないんだと、さらに学ぶことができました。自分自身にできることは何かと考えても、正直未だ答えはでません。しかしこのような現実があり、この現実を打破しようとしている人がいる限り、自分は共生社会経済学科で学んだことを活かせる仕事に就き、全力でサポートできる人になりたいと思いました。(Kさん)
- 村上さんのように自分で何かを立ち上げて行動して実際に現状を変えてくというのは難しく感じますが、私たち学生に無関係ではないと思います。私たちもいずれ結婚し、親になる日が来ます。そのときに今と同じような「男女の役割分担」の考え方で良いのかというと、私は良くないと思います。共生社会経済学科で学んでいる私たちだからこそ、この問題はもちろん、日々感じている疑問を話し合っていくべきだと思いました。(Tさん)
- 父親(男)の意識が変われば、家族、地域、企業、そして社会が大きく変わっていくという信念に圧倒されました。誰かがやってくれる、政治家がやってくれるだろうという人任せではなく、自ら自分の声を届ける、自分から発信するというスタイルを私たち大学生こそ見習わなければいけないと考えさせられました。(Sさん)
- 村上さんは、私たちに自分の意見を他者に発信することの大切さを教えてくれたと思います。私たちがこれから社会に出て、多くの壁にぶち当たったときに自分の意見を伝えようとすることが解決の近道にもなり、結果的には「共生」という社会に生きるすべての人々がともに助け合いながら過ごせることにつながると考えます。(Oさん)
- 周りで支えてくれていることが「当たり前」になってしまっている現状があると思います。私は、村上さんの言葉を聞いて、常に支えてもらうことが「当たり前」になりすぎて、言葉にしてちゃんと伝えるということを、遠ざけてきた自分に気がつきました。近くに居るからこそ、ちゃんと向き合って、言葉にして伝える。このことをしっかり胸に刻んで、これから生活していきたいと思いました。(Yさん)
- 親になるためには子供を産む早さや、女性の体内に子を宿している期間が重要なのではない。「子どもと向かい合う時間をどれだけ持ったかが親になるスピードを決める。仕事も家事も子育ても親を育てる大切な時間。」という言葉に感動というよりも衝撃を受けた。(Aさん)
- 村上さんのような活動のおかげで、父子家庭の問題が解決されていると思いますが、まだ氷山の一角にしかすぎません。当事者だけが努力していてもいつかは限界がきてしまうと思います。私達は、村上さんから聞いた話を無駄にせず、活動していかなければなりません。自分達の子どもが住みやすい環境を作るために出来ることから始めたいと思いました。(Hさん)
- 私は講演を聞く前は父子家庭に対して、関心・知識がありませんでした。「男は仕事、女は家事」という「常識」が、父子家庭を苦しめている原因の1つです。私たちが出来ることは「父子家庭を理解するために、まず現状を知ること」だと思います。私も、今まで以上に理解を深めていけるよう努めていきたいです。(Mさん)
- 今回この講演会を通して、自分の道は自分がどう感じて、どう動くかで大きく変わると思いました。父子家庭は苦しくないと思っていたことが全く違っていたり、日本のしくみを変える人をみたりして、自分はまだまだ知らないことが多いし、まだまだ出来ることがあると感じました。共生社会経済学科では、身近にある様々な問題を学びます。私は、いろいろな考え方や生き方を感じ、自分の未来を考えていきたいです。(Iさん)
- わたしは毎回、講演会を受けるたびに、「共生」とは何か考えさせられます。(Yさん)