東北学院大学

経済学部 共生社会経済学科

海外からの介護労働者の受け入れについて(社会保障論)

2011年10月のある日の社会保障論では、高齢者介護の人材について取り上げました。介護職員の数や介護福祉士の割合、そしてインドネシアやフィリピンから介護福祉士候補者が来日していることについて、資料やDVDを使って勉強しました。受講した皆さんには、海外から介護労働者を受け入れるべきかどうかについて、意見を書いてもらいました。一部を紹介します。

受け入れるべき

  • 高齢化が続き、介護労働者はもっと必要になっていくと思う。その時に、外国の人で介護福祉士として日本で働きたいという意思がある人がいるなら、積極的に受け入れていくべきだと思う。日本と外国との交流にもつながると思う。介護だけでなく日本はもっと世界に対してオープンになるべきだと思う。少子高齢化の進む現代において、結局のところ外国人労働者に頼らざるをえなくなるだろうから。(Rさん)
  • DVDを見て、介護福祉士を目指しているインドネシアの方々の熱意がとても伝わってきて、日本で成功してほしいと思いました。私はどちらかといえば受け入れた方がよいと考えていましたが、インドネシア人がおかれている状況などを知り、積極的に受け入れるべきだという考えに変わりました。今後、動向に注目していきたいです。(Kさん)
  • 介護の人手不足が深刻であることは誰しもがわかっていることだが、外国から介護という職を求めて人がやってきていることは、恥ずかしながら全く知らなかった。私は実際に外国人から介護を受けることに抵抗があると考えていたのだが、今回のDVDで一生懸命に日本語を勉強している姿を見て、抵抗が少なくなった。受け入れ側の人が「人柄に国境はない」と言っていて、まさにその通りだと思った。人手不足の現状に対して、ハードルを下げて介護労働者を募るのもいいのではないか。質が落ちてしまう気もするが、研修で厳しく指導すればさほど問題ではないように思える。(Mさん)

どちらかといえば受け入れるべき

  • EPAの一環として受け入れをすることは、日本にとっても外国の介護労働者にとっても良いことであると思ったが、情報がいきわたっていないことや、考え方の違いなど、いろいろな混乱があり、難しい面も多数あるということが分かった。日本の受け入れ側、外国の介護労働者の双方がプラスになるようなものにしていかなければならないと感じた。(Sさん)
  • 介護の現場では、外国人介護労働者を受け入れなければならないほど深刻な人材不足でなることがあらためてわかりました。しかし、実際には言語・宗教・文化の違いなど、様々な問題があります。国際的に人材を受け入れることは避けられない状況であるため、受け入れる側の環境を整えていかなくてはならないのだと思います。意欲的に介護の勉強をしに日本に来るのであるから、受け入れても良いのではないかと思います。(Aさん)
  • 介護で外国から労働者を受け入れようとしていたことを知らなかったので、驚きました。外国から受け入れるということには様々な困難があると思ったが、日本人だけでは人材が不足している今、受け入れていければいいと思いました。そうすれば、人材不足は多少改善できるとは思う。でも、日本人の潜在的介護福祉士と呼ばれる人々に就労してもらうことも大事だと思った。(Mさん)

どちらかといえば受け入れるべきではない

  • 外国からの介護労働者の受け入れに自分は抵抗がないと考えていたのだが、外国人が日本で介護をして働くこと自体がものすごく難しいことを今日初めて知った。特に「言葉の壁」というものの重みを感じた。視力を0.2まで落とし、睡眠時間4時間という看護師の合格者の話でもそれを感じさせた。そんな苦労をさせてまで外国人介護福祉士を増やしていけるとは思えなかった。(Kさん)
  • 初めてEPAの仕組みを知りましたが、この仕組みは少しおかしいと思いました。人的交流が目的なら日本の受け入れ施設の負担が大きいのはおかしいし、人材が足りないという理由であれば、4年目に合格できなければ帰国させるというのは期間が短いと思います。(Tさん)
  • 介護労働者の人数が少なく、多くの労働者を必要としていることは分かったが、まず日本人の介護人材を確保することが大切であると思う。給与なども含めてもっと働きやすい環境をつくり、介護職のイメージなどを変える必要があると思った。外国から労働者を受け入れた結果、「潜在的介護福祉士」が増えたら意味がない。(Yさん)

受け入れるべきではない

  • 介護労働者が不足しているから外国からの労働力を受け入れるというのは、論理的にはとても理にかなっていることは理解できます。しかし、最も大切なのは労働者という観点よりも、実際に介護を受ける利用者の立場になることです。ジェネレーションギャップがあり、同じ日本人同士でもコミュニケーションの難しい介護の現場で、言葉の違い以上に文化の違いが大きな障壁になると思います。(Kさん)
  • 出稼ぎや日本特有の製品が目的で、介護するという目的からかけ離れている人もいるのではないかと疑問を感じた。生きていくためによりよい生活を求めることは大切なことだと思うが、介護は人の命を扱う仕事だと思うし、もっと時間をかけて受け入れの計画を立てていくべきだと考える。(Yさん)
  • インドネシア人が考える介護と日本人が考える介護は違うと思った。また、日本側はすぐに実務ができる人を求めているが、映像を見る限りでは知識や経験が十分な人は一握りしかいないのではないかと思う。いざという時の対応ができずに問題になってしまうのではないか、すぐに帰国してしまうのではないかと思う。施設側としても、経費や時間がかさむだけになってしまうのではないだろうか。(Mさん)