東北学院大学の基本方針
「東北学院大学の基本方針 2022」の策定にあたって
学長 大西 晴樹
教育と研究を担う高等教育機関である大学において、「学修者本位」という言葉が用いられるようになってきた。学修者本位の「学修」という言葉も、従来の「学習」という言葉にとって代わろうとしている。これは、「学習」という言葉が教わる、「習う」という受動的な勉学態度を意味するのに対して、高等教育機関である大学においては、教育や研究が、事前の準備や事後の報告や発表を通じて成果を産み出し、それらを学修者が「修める」という、より主体的な勉学態度が求められているからに他ならない。
本書『東北学院大学の基本方針 2022』は、「福音主義キリスト教による人格教育」という本学の建学の精神から始まって、LIFE LIGHT LOVEというスクールモットー、そして教育の基本方針が示され、それらを土台として構築された「教学上の3つの方針」、すなわち、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、そしてアドミッション・ポリシーが列挙されている。
学修者である学生は、「学位授与の方針」であるディプロマ・ポリシーを達成するために学修に励み、それがどれほど成果を収めているのかを計測するのが、「評価の方針」であるアセスメント・ポリシー、すなわち、学修到達度の計測である。大学は、不断に学生の成長を見定めていくために、このアセスメント・ポリシーにより、教育・研究成果を計測、可視化して、教育・研究の「質」保証を明らかに示し、改善すべき点を改善していかなければならない。
その他、本書では、東北学院大学において展開されている教育・研究全体に関わる基本方針が列挙されている。学生支援、国際交流、教員の倫理、研究、社会連携・貢献、教育研究実施組織である各学部、大学院各研究科、そして中長期計画であるTG Grand Vision 150である。
私は、2023年度からの五橋新キャンパスの供用開始、新設4学部5学科の発足を前にして、これらの基本方針を一冊にまとめることによって、東北学院大学の教育研究の拠りどころとなる骨格が示されたと考えている。東北学院大学という教育研究共同体の構成員である教職員・学生が、ひとたび疑問を懐いたときに立ち帰るべき「羅針盤」として、本書を手元において活用してもらえたら、幸いである。